午前は、生成AIがどんな仕組みで文章を作るのかを運用保守の言葉で押さえます。あわせて、製造・物流・小売・金融・医療・自治体と、業種をまたいで実際に動いている使い方を、公表値と出典つきで見ていきます。
一日の終わりに、皆さんが普段こなしている運用保守の仕事の中から「これは生成AIに手伝ってもらえそうだ」という作業を、自分の言葉で最低ひとつ挙げられる状態を目指します。
午前は座学で生成AIの仕組みと他社の使い方を知り、午後は実際にブラウザのチャットAIに文章を作らせる体験をします。プログラミングの知識は一切要りません。日本語で指示を書いて、返ってきた文章を直していく。それだけです。
生成AIとは何か、どういう仕組みで動くか、他社がどう使って成果を出しているかを知ります。
月次報告書・運用手順マニュアル・障害一次報告の3つを題材に、チャットAIで下書きを作らせます。
自分の担当業務でAIを使える箇所を書き出し、明日から試せる状態にして帰ります。
AIを使いこなす達人になる研修ではありません。日々の報告書づくりや手順書の整備が少し楽になる、その入口に立つことがゴールです。
生成AIは、大量の文章を学習して「次に来そうな言葉」を予測し続けることで、文章を作り出す仕組みです。検索エンジンのように決まった答えを探してくるのではなく、その場で文を組み立てて返します。
皆さんがスマホで文字を打つとき、変換候補が出てきます。あの「次の言葉の予測」を、桁違いに大規模にしたものだと考えてください。「サーバが」と入力されたら、学習した膨大な文章から「再起動しました」「応答しません」といった続きを確率的に選び、一語ずつつないで文章にします。だから自然な日本語が返ってきます。
| 得意 | 苦手 |
|---|---|
| 箇条書きのメモを整った文章に整形する | 社内システムの最新状況など、学習していない事実を答える |
| 長い文章を要約する・言い換える | 計算や日付の厳密な処理(間違えることがある) |
| 文章の体裁を整える・誤字を直す | 「絶対に正しい」と保証すること |
| たたき台を素早く作る | 社内固有のルールや用語を勝手に正しく扱うこと |
難しく考える必要はありません。普段「文章を書く・直す・まとめる」作業はどれも候補です。アラート内容をお客様向けの言葉に直す、長い障害対応ログから報告に使う要点を抜く、英語のマニュアルをざっと和訳して概要をつかむ。こうした下ごしらえをAIに任せ、人は判断と仕上げに時間を使う、という分担が現実的です。
| 運用の場面 | AIに任せられる下ごしらえ |
|---|---|
| 月次の作業報告をまとめる | 箇条書きのメモを定型の報告文に整形する |
| 手順書を新しく書く | 口頭で説明した内容を手順の文章に起こす |
| 障害の一次連絡を出す | 事実メモから連絡文の下書きを作る |
| 過去の対応を振り返る | 長い対応ログを時系列の要約にする |
生成AIは「もっともらしい続き」を作るのが仕事なので、知らないことでも自信ありげに答えます。これをハルシネーション(もっともらしい誤り)と呼びます。出てきた内容、特に数字や固有名詞は、人が必ず確認してください。
皆さんがブラウザで使うチャット画面の裏側では、いくつかの部品が連携しています。仕組みの全体像を知っておくと、なぜ社内情報を答えられないのか、なぜ会社で使うサービスが指定されるのかが腑に落ちます。
生成AIの頭脳にあたる部分。学習済みの「言葉の予測装置」そのものを指します。
皆さんが文字を打ち込む入口。裏のLLMに指示を渡し、返答を画面に出します。
AIへの依頼の文章。何を、どんな形で、誰向けに作るかを書くほど精度が上がります。
AIが文章を区切って扱う単位。一度に読める量に上限があり、長すぎる資料は分割が要ります。
最初の返答は7割の出来だと思って構いません。「ここをもっと簡潔に」「箇条書きにして」と追加で指示する往復が、仕上がりを決めます。
標準のチャットAIは社内の手順書や設定情報を知りません。そこで「答えさせたい資料をその場で読ませてから答えてもらう」仕組みがRAGです。読み込ませて、それを根拠に答えさせる、と覚えてください。
たとえば「うちの監視ツールでアラートが鳴ったときの一次対応は」とそのまま聞いても、AIは貴社のルールを学習していないので答えられません。手順書の文章を一緒に渡して「この内容をもとに整理して」と頼めば、その範囲で答えてくれます。これがRAGの考え方です。
本格的なRAGの仕組みを社内に作るのはエンジニアの仕事です。皆さんが今日体験するのは、その簡易版です。手順書やメモをチャット画面に貼り付けて「この内容をもとに報告書にして」と頼む。資料を渡してから答えさせるという点で、考え方はRAGと同じです。
顧客名や個人情報、社外秘の構成情報をチャットに貼ってよいかは、貴社の社内ルールに従ってください。判断に迷う情報は、ダミーに置き換えてから使うのが安全です。
チャットAIは「聞かれたら一回答える」道具です。エージェントは、目標を渡すと自分で手順を考え、複数の作業を順番にこなしてくれる一段進んだ使い方を指します。
| 観点 | チャットAI | AIエージェント |
|---|---|---|
| 渡すもの | ひとつの指示 | 達成したい目標 |
| 動き方 | 一回答えて終わり | 手順を分解し、順に実行する |
| 道具の利用 | 基本は文章のやり取りのみ | 外部ツールやシステムを呼び出せる |
| 運用での例 | 報告文を整える | アラート検知から一次切り分けまで一連で進める |
業界では、障害が起きてから人が動く受け身の運用から、予兆を検知して自動で初動を取る能動的な運用へ移る動きが進んでいます。生成AIとエージェントを組み合わせ、SREが「AIと人の協調体制を設計する役割」へ移っていく、という観測が出ています。
エージェントの構築はエンジニア向けの別研修の領域です。ここでは「チャットの先にこういう発展形がある」という地図を持っておいてください。午後のワークはチャットAIの範囲で進めます。
本研修で使う Microsoft 365 Copilot は、Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teams など普段のアプリに組み込まれたAIです。いま開いているアプリの文脈に沿って、文章の下書き・要約・整形を手伝います。
Wordでドラフト作成、Excelで数式提案、Outlookでメール要約、Teamsで会議要約。ブラウザのCopilotチャットからも使えます。
自分がアクセス権を持つメール・ファイル・チャット・会議を踏まえて回答します。表示されるのは本人がアクセスできる範囲だけです。
入力した内容・応答・参照したデータは基盤モデルの学習に使われません。テナントは分離され、保存時・通信時に暗号化されます。
本研修は有料版(Microsoft 365 Copilot のアドオン、2026年6月時点で1ユーザー月額30米ドルが基準)を会社が用意します。受講者が個別に準備する必要はありません。
道具の得意・不得意を知っておくと、任せどころと、人が確かめるべきところの線引きができます。
| 強み | 弱み・制約 |
|---|---|
| 社内データ連携(自分の権限内のメール・ファイルを根拠に回答) | ハルシネーション(もっともらしい誤り)が起こりうる |
| Word・Excel・Outlook・Teamsなどアプリ内で完結 | 参照できるのはテナント内かつ自分にアクセス権のある範囲のみ |
| 権限・機密ラベル・監査を引き継ぐデータ保護 | 最新の外部事実は不得手(Web検索で補完) |
| 入力・応答は基盤モデルの学習に使われない | 出力の正しさは人が確認する前提。利用にはライセンスが要る |
(1)「Copilotが社内の全データを見ている」は誤解で、参照できるのはアクセス権のある範囲だけです(逆に共有設定が緩いと範囲が広がりすぎる点に注意)。(2)「最新ニュースや外部の最新事実をいつでも正確に答える」も誤解で、外部の最新情報はWeb検索の範囲です。
運用の現場で効く2つの機能を押さえます。手元の資料を読ませる「ファイル添付」と、決まった仕事を任せる「エージェント」です。
チャットに Word・Excel・PDF などを添付し、その中身を踏まえて回答させられます。+(ファイルを追加)からファイルを選び、そのファイルについて質問するだけです。有料版では1回の指示で最大512MBまで添付できます。
| 運用での使いどころ | やること |
|---|---|
| 手順書・設定ドキュメント | 添付して要点を要約・整形させる |
| 障害対応ログ・レポート | 添付して報告に使う要点を抜き出す |
| 長いメールスレッド | 添付して論点と決定事項を整理させる |
午後の演習はメモを貼り付けて進めますが、同じ内容をファイルにして添付しても構いません。長い資料ほど添付が楽です。
エージェントは、特定の業務に特化させたAIアシスタントです。情報の取得・要約に加えて、決まった手順の実行まで任せられます。ヘルプデスクの問い合わせ対応、ドキュメント要約、調査レポート作成などに向きます。
Copilot Studio や Agent Builder を使えば、開発者でなくても指示・参照データ・アクションを設定してエージェントを作れます。
複数ステップの調査を行い、Webと自分の業務データの両方から出典付きのレポートを作ります。
データ分析を順を追って進めるエージェント。Copilotアプリの「Agents」から呼び出して使えます。
エージェントの構築は次の段階です。今日は「Copilotには調べる・分析する・任せる機能がある」と知っておけば十分です。まずは午後のワークで基本のチャットに慣れましょう。
製造の点検報告、物流の作業記録、小売の販促文、金融の照会対応、自治体の文書作成、医療の記録づくり。業種は違っても、生成AIが入り込んでいるのは「書く・調べる・答える」業務です。ここでは実在企業の公表値だけを取り上げ、出典を併記します。運用保守に近いIT・SIの事例も並べています。
今日紹介する事例を業種で俯瞰します。生成AIを当てている業務は、どの業種でも「文書作成」「問い合わせ対応」「記録・報告」に集中しています。皆さんの運用保守業務と重なる部分がどこか、探しながら見てください。
全社・工場別・部門別の3層構造の社内規格文書をLLMに参照させ、自然言語で問い合わせる「製造規格確認支援AI」を導入。あわせて英語仕様書の翻訳と要チェック項目の自動抽出も実装しました。規格確認は1回あたり約5分から約1分へ短縮し(約80%削減)、仕様書レビューは1件あたり約30時間から約18時間へ短縮(約40%削減)。ベテラン不在でも若手が規格を正確に参照できる体制が整いました。2024年12月導入。(日立システムズ 導入事例)
品質保証部門で、熟練者の暗黙知をプロンプトに落とし込み、類似事例の自動検索と初報レポートのドラフト自動生成を実現。問い合わせ対応に必要な情報の検索時間を約9割、レポート作成時間を8割以上削減しました。熟練者が不在でも若手が初動対応できるようになり、2026年度には電力・上下水道の分野へ適用を拡大する予定です。2024年10月〜2025年3月に実証。(日立製作所 プレスリリース)
Azure OpenAI Serviceを基盤にした社内生成AIポータルを構築し、郵便局員向けに顧客問い合わせの回答支援と業務マニュアルからの情報抽出を提供。半年間で70本以上のミニアプリを社内で開発しました。月間の実行回数は2万回を超え、週100回以上使うヘビーユーザーが130名を超過。利用者アンケートでは回答者の80%が業務効率への効果を実感しています。(Microsoft Customer Stories)
物流・製造・医療・空港など業態の異なる拠点に分散していた作業手順書や点検記録を、Amazon BedrockとKendraを使ったRAG構成で横断検索できる社内チャットを構築。着手から本番実装まで約4か月でした。用語や記録フォーマットが拠点ごとに違っても類似作業を自然言語で照合でき、検索アクセスは従来比約8倍に増加。回答内容の検証テスト100件のうち95件が合格しています。(AWS ブログ)
Q&Aの自動回答、文書作成、要約、定型シート作成、法令リスクの洗い出し、翻訳という6領域で生成AIを検証。スーパーバイザーから本部担当への問い合わせ対応やアンケート集計を対象に、プロジェクトメンバー50名で2023年12月から3か月間取り組みました。対象業務では作業時間の約50%削減が見込めることを確認しています(確定実績ではなく検証に基づく見込み値)。(ファミリーマート ニュースリリース)
年間数百通に及ぶ会員向け販促メールの件名と原稿を、生成AIとRPAで自動生成する仕組みへ移行。従来は外部委託で制作リードタイムが1か月かかっていましたが、メール制作の33タスクのうち16タスクに生成AIを適用して委託フローを廃止しました。リードタイムは1か月から1週間に短縮し、年間で約1万時間の業務を削減しています。(TECH+(マイナビ)講演レポート)
会議後の議事録生成、長文メールの要約、社内規程の検索補助といった定型文書業務にMicrosoft 365 Copilotを適用。2024年6月の1,000ライセンスから同年10月には1,600ライセンスへ拡大しました。月間の利用率は83%(半年平均、2025年3月時点)に達し、上位5用途の合計で社員1人あたり平均6時間/月を削減。議事録作成だけでも1.4時間/月の削減効果を確認しています。(Microsoft Customer Stories)
約100万件の照会応答履歴を学習させた検索AIと生成AIを組み合わせ、代理店からの問い合わせに対して類似事例の検索と回答案の生成を行う「AI Search Pro」を共同開発。2024年11月に全営業部店と代理店ヘルプデスクへ本格展開しました。社員1件あたりの照会応答時間を約40%削減し、自動車・火災・傷害保険を含む約80〜90%のケースで有用性を確認しています。(PKSHA Technology プレスリリース)
ChatGPTを庁内で活用し、職員向けにプロンプト集と活用事例集を整備。企画書・挨拶文・メール文・SNS投稿文の作成に加え、Excelマクロ用のVBAコード生成にも使っています。2024年度には年間約858時間の業務時間削減を達成し、利用した職員の85%が効率化を実感しました。(自治体通信Online(総務省事例集より))
電子カルテに蓄積された検査・処置・薬剤・経過記録を自動抽出し、退院時サマリー(退院する患者ごとにまとめる記録文書)を下書きするシステムをFIXERと共同開発。2025年2月に6診療科で先行運用を開始し、翌3月には31診療科へ拡大しました。1件あたり10〜15分かかっていた作成が数クリックで完結し、導入3か月の累計短縮時間は約1,000時間。医師の92%が業務効率化を実感し、81%が満足と回答しています。(藤田医科大学 ニュースリリース)
生成AIを使った生産技術をSI案件へ広げ、開発工程全体に段階的に適用。2025年度は約500プロジェクトへ適用し開発工程全体で20%の生産性向上を目標に掲げ、2027年度は適用比率を50%へ、生産性向上を40%(最大70%)へ引き上げる計画です。(NTTデータ Data Insight)
製造の点検報告、物流の作業記録、金融の照会対応、医療の記録づくり。並べてみると、どの業種も生成AIを当てているのは身近な「文書作成」「問い合わせ対応」「記録・報告」でした。
皆さんの運用保守業務にも、手順書の検索、障害の初報作成、問い合わせへの一次回答といった同じ形の作業があります。効果を出せている企業とそうでない企業の差は、技術の高さより「自分の業務のどこに当てるか」を現場が見つけられるかどうかにあると言われています。午後のワークでは、その使い所を一緒に探します。
国内でも生成AIの業務利用は広がり、運用保守の現場にも入り始めています。公的調査と公表値で「いまどこまで来ているか」を押さえます。
導入の最大の懸念は「効果的な活用方法がわからない」で、次いで情報漏えい等のセキュリティ、コストと続きます。使い方を見つけられるかどうかが分かれ目です。NTTドコモは2026年2月、ネットワーク保守向けのAIエージェントを商用化し、100万台超の装置情報を横断分析して異常検知・対処案提示までを行い、対応時間を従来比50%以上削減したと発表しています。Microsoft 365 Copilot の国内大企業での本格導入率は約42%との市場推計もあります。
国の「AI事業者ガイドライン」は2026年3月に第1.2版へ更新され、AIエージェントへの対応や、人が要所で確認するHuman-in-the-Loopの考え方が強化されました。著作権の整理は文化庁が公開しています。
海外では「広く使われているが、効果の実感はこれから」という段階です。規模感と方向性をつかんでおきます。
主役のモデルは OpenAI の GPT-5 系、Anthropic の Claude 4.5 系、Google の Gemini 3 系で、いずれも小刻みに更新が続きます。モデル名は変わりやすいので、研修では「現行の最新を使う」とだけ覚えてください。Microsoft 365 Copilot も裏で複数社のモデルを使い分ける方式に移っています。最大の流れは、答えるだけのAIから、複数のツールをまたいで作業を最後までこなすエージェント(自律型AI)への移行です。ただしGartnerは過熱への警鐘として、エージェントAIプロジェクトの4割超が2027年末までに中止されるとも予測しています。
現場に最も近い動きが、AIOps と「AI SREエージェント」です。インシデントを自分で調査し、根本原因を特定して修正を提案・実行する「オンコールの相棒」が登場し、流れは「AIが推奨する」から「ガードレールの中でAIが実行する」へ進みつつあります。
便利な道具ほど、使い方の線引きが要ります。ここでは細かい規程の話ではなく、現場で押さえておきたい勘どころを概要レベルで共有します。詳しい社内ルールは貴社の規定が正です。
顧客名・個人情報・社外秘の構成情報をチャットに貼ってよいかは、貴社の社内ルールに従ってください。迷う情報はダミーに置き換えます。
業務で使えるAIサービスは会社が指定します。事前セットアップで案内されたサービスを使ってください。
サービスや契約によって、入力内容が学習に使われるかが異なります。業務用に設定された環境を使うのが基本です。
生成AIはもっともらしい誤りを返すことがあります。数字・固有名詞・手順の正しさは、最後に必ず人が確認してください。特に障害報告や顧客向け文書のように責任が伴うものは、AIの出力をそのまま出さず、内容を読んで判断した人が責任を持つ形にします。AIは下書きを速く作る担当、最終判断は人、という分担が基本です。
AIが作った文章を確認せずに顧客へ送る、手順書としてそのまま運用に載せる、といった使い方は事故のもとです。「たたき台が速くできた」価値と、「正しさは人が担保する」責任を分けて考えてください。
AIが作った文章や画像が、既存の著作物に似てしまうことがあります。社外に出すものは、特定の作品に酷似していないかを人が確認してください。社内で使う下書きでは問題が小さくても、公開・配布する文書では注意が要ります。著作権の考え方は文化庁が整理して公開しています。
本格的なAIガバナンスの整備は会社全体の取り組みになります。今日はまず、現場の一人ひとりが入力と出力で気をつける勘どころを押さえれば十分です。
2026年のコツは、小手先のテクニックより「新人だが優秀な同僚に頼むつもりで、目的と背景を素直に書く」ことです。午後のワークでそのまま使う型を押さえます。
| 要素 | 書くこと | 例(運用報告メール) |
|---|---|---|
| Goal(ゴール) | 達成したいこと(必須) | 今週の運用報告メールの下書きを作って |
| Context(文脈) | 読み手・用途・背景 | 宛先は顧客の情シス担当、対象は定期メンテと軽微障害1件 |
| Source(ソース) | 参照する資料・データ | 週次運用ログと障害票を参照(添付や「/」で指定) |
| Expectations(期待) | トーン・形式・分量 | 丁寧語・本文400字程度・最後に次週予定を一行 |
必須は「明確なゴール」だけ。残り3つを足すほど精度が上がります。Copilotではファイル名の前に「/」を打つと、その資料を参照させられます。
| ありがちな失敗 | 対処 |
|---|---|
| 「いい感じにまとめて」と曖昧 | 読み手・用途・文字数・形式を具体的に書く |
| 背景を渡さず丸投げ | 文脈とソースを渡す(Copilotは「/」でファイル指定) |
| 一発で完成を狙う | 往復前提で初稿を見て条件を足す |
午後は3つの題材で、実際にチャットAIに文章を作らせます。座学で押さえた「指示して、返ってきた文章を直す往復」をそのまま手で体験してもらいます。
最初から完璧な指示は要りません。短く頼んで、返答を見て「もっと短く」「敬体で」と足していけば十分です。やり方は午後に手順をなぞります。
AIが速くするのは下ごしらえだけです。何を報告するか、どう対応するかの判断は人の仕事として残ります。判断に時間を回せるようになる道具だと捉えてください。
それが普通です。出力は下書きとして扱い、事実と数字を人が確認して直す前提で使います。確認のひと手間を省かないことが安全に使うコツです。
研修の最後に、自分の担当業務の中で生成AIを使えそうな作業を最低ひとつ書き出します。3つの題材を体験する中で「これは自分のあの作業に似ている」と感じたものを覚えておいてください。それが持ち帰りの種になります。
午後のワーク中に「自分の業務だとこれが使えそう」と思いついたら、その場で書き留めてください。まとめワークで使います。